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コラム

業務マニュアルが定着しない理由と運用方法

業務マニュアルを作ったものの、現場ではあまり使われていない。そんな悩みを抱える企業は少なくありません。

せっかく時間をかけて手順書を整えても、必要なときに見つからなかったり、内容が実際の業務と合わなくなったりすると、現場では以前と同じように口頭で確認することがあります。

業務マニュアルは、作成すること自体が目的ではありません。日々の業務で使われ、必要に応じて内容が見直されることで、はじめて業務を支える情報になります。

ここでは、業務マニュアルが定着しにくい理由と、作って終わりにしないための運用方法について解説します。

業務マニュアルが定着しない理由

マニュアルが使われなくなる理由は、一つとは限りません。
例えば、内容が詳しく書かれていても、必要な情報をすぐに探せなければ、忙しい現場では使いにくくなります。また、作成した時点では正しい内容でも、業務の変更やシステムの入れ替えなどによって、実際の手順とマニュアルの内容に違いが生じることがあります。

担当者が変わったのに更新されていないケースもあります。こうした状態が続くと、「マニュアルを見るより、詳しい人に聞いたほうが早い」という状況になりがちです。

マニュアルを定着させるには、内容を充実させるだけでなく、現場で使いやすい状態を維持することが大切です。

関連記事:業務マニュアルの作り方|わかりやすい手順書のポイント

マニュアルが現場で使いにくい

マニュアルを使う人が、必要な情報をすぐに見つけられないと、日常業務では利用しにくくなります。
一つの資料に多くの情報を詰め込みすぎると、必要な手順を探すだけで時間がかかることもあります。

実際に使う場面を想定し、作業ごとに必要な情報を整理することが重要です。

マニュアルの内容が古くなっている

業務内容や社内ルールが変わっているのに、マニュアルだけが以前のままだと、現場で正しく活用できません。
古い情報と現在の業務が異なっている場合、マニュアルを確認することがかえって混乱につながる可能性もあります。

関連記事:属人化を解消する「マニュアル整備」の進め方

業務マニュアルは更新が必要

業務はずっと同じではありません。担当者が変わったり、新しいシステムが導入されたり、社内のルールが変更されたりすることがあります。そうした変化に合わせて、業務マニュアルの内容も見直す必要があります。

ISO 10013:2021(品質マネジメントに必要な「文書化した情報」をどのように整備・管理するかについての指針)でも、組織の状況に応じて必要な文書化された情報を整備し、維持する考え方が示されています。
古い情報が残ったままでは、マニュアルが正しい業務手順を示すものとは限りません。

そのため、マニュアルを作成した時点だけでなく、その後も内容を確認できる運用を考えておくことが重要です。

業務の変更に合わせて見直す

新しいシステムの導入や業務手順の変更などがあった場合は、関連するマニュアルも確認します。
業務の変更とマニュアルの更新を別々に考えるのではなく、変更があったときに関連する手順書も確認する流れを作っておくと、情報を更新しやすくなります。

現場で使いやすいマニュアルにする

マニュアルは、読むためだけの資料ではありません。
実際に仕事をしている人が、必要なときに確認できることが大切です。

例えば、業務の流れが複雑な場合は、一つの文書にすべての情報を詰め込むのではなく、作業ごとに分けたほうが確認しやすいことがあります。新人が初めて行う作業なのか、経験者が確認のために使うのかによっても、必要な説明の詳しさは変わります。

誰が、どのような場面で使うのかを考えて内容を整えることが、マニュアルの使いやすさにつながります。

誰が使うのかを考えて作成する

マニュアルを作るときは、実際に利用する人を意識することが大切です。
新人向けのマニュアルであれば、専門用語だけで説明せず、初めて作業する人にも分かるように手順を整理する必要があります。

一方、経験者が確認するためのマニュアルなら、必要なポイントをすぐ確認できる構成が適しています。

必要な情報を探しやすくする

マニュアルの内容が正しくても、必要な情報を見つけられなければ使いにくくなります。
業務ごとにページや項目を分けたり、見出しを分かりやすくしたりするなど、目的の情報にたどり着きやすい構成を考えることが大切です。

マニュアルの管理方法を決める

必要な情報がどこにあるのか分からない状態も、マニュアルが使われなくなる原因になります。
紙のファイル、社内共有フォルダ、個人のパソコンなど、情報が複数の場所に分散していると、最新の手順がどれなのか確認しにくくなることがあります。

業務マニュアルを運用する際は、どこを見れば最新の情報を確認できるのかを明確にしておくことが大切です。
特に複数の拠点や部署で同じ業務を行う場合は、情報を共有しやすい仕組みがあると管理しやすくなります。

最新のマニュアルを共有する

同じ業務について複数のマニュアルが存在すると、どの情報を参考にすればよいのか分かりにくくなります。
そのため、最新のマニュアルを確認できる場所を決め、必要な人が同じ情報を参照できる状態にしておくことが重要です。

マニュアルを更新する担当者を決める

マニュアルを更新する担当者やルールが曖昧なままだと、業務内容が変わっても修正されないことがあります。
すべてのマニュアルを一人で管理する必要はありません。

それぞれの業務について、内容を確認できる担当者を決めておく方法もあります。
業務の変更があったときに、関連するマニュアルを確認する流れを決めておくことも大切です。

業務マニュアルを教育に活用する

業務マニュアルは、日常業務の確認だけでなく、新人教育や業務の引き継ぎにも活用できます。
新しく入った社員がすべての業務を経験者から口頭で教えてもらう方法では、教える人によって説明する内容や順番が変わることがあります。

一方で、基本的な業務手順をマニュアルに整理しておけば、共通して確認できる情報を用意できます。

もちろん、マニュアルだけですべての教育を完結できるわけではありません。
実際の業務では、状況に応じた判断や、経験を通して身につける知識もあります。

マニュアルとOJT(On-the-Job Training)などの教育を組み合わせることで、業務を覚えるための情報を整理しやすくなります。

新人教育や引き継ぎに活用する

新人が業務を覚えるときや担当者が変わるときに、基本的な手順を確認できるマニュアルがあると、業務内容を共有するための資料として活用できます。

口頭での説明だけに頼らず、共通して確認できる情報を残しておくことがポイントです。

関連記事:新人教育を効率化するマニュアルの作り方

OJTとマニュアルを組み合わせる

OJT(On-the-Job Training)とは、実際の仕事を行いながら、先輩や担当者が業務の進め方を教える教育方法です。

マニュアルには、作業の手順や注意点などを整理しておけます。一方、実際の業務では、状況に応じて判断したり、対応を変えたりすることもあります。

そのため、マニュアルを確認しながら実際の業務を行い、必要な部分をOJTで補う方法が効果的です。マニュアルと実務での指導を組み合わせることで、業務の基本を確認しながら、現場で必要な対応力も身につけやすくなります。

マニュアルをクラウドで管理する

紙のマニュアルやExcelで作成した手順書にも、それぞれ利用できる場面があります。

一方で、複数の人が利用する業務マニュアルでは、更新した内容をどのように共有するかが課題になることがあります。
ファイルを複製して使っていると、どれが最新なのか分かりにくくなることもあります。

クラウド型のマニュアル管理では、オンライン上で情報を共有し、必要なときに確認できる環境を整えやすくなります。
重要なのは、紙からクラウドへ移行すること自体ではありません。

自社の業務に合わせて、最新の情報をどのように管理し、必要な人がどのように確認するのかを決めることです。

関連記事:Excelマニュアルの限界とクラウド化のメリット

紙やExcelのマニュアルとの違い

紙やExcelを使ったマニュアルは、業務内容や利用人数によっては十分に活用できます。
一方で、更新や共有を頻繁に行う場合は、複数のファイルを管理する手間が発生することがあります。

クラウド型のサービスを利用する場合は、オンライン上でマニュアルを管理し、必要な人が同じ情報を確認できる環境を整えやすくなります。

必要なときにマニュアルを確認できる環境を作る

マニュアルを定着させるには、必要なときに確認できることも重要です。
パソコンだけでなく、業務内容によってはタブレットやスマートフォンなどから確認できる環境が役立つ場合があります。
現場でどのようにマニュアルを使うのかを考えたうえで、管理方法を選ぶことが大切です。

業務マニュアルを定着させる運用方法

業務マニュアルは、一度作ったら完成する資料ではありません。
業務内容が変われば、必要な情報も変わります。実際に使ってみて分かりにくい部分があれば、内容を見直すことも必要です。

「作成する」だけでなく、「使う」「見直す」「更新する」という流れまで考えることで、業務マニュアルは日々の仕事を支える情報になります。

マニュアルを作っても現場で使われないと感じたときは、内容だけを見直すのではなく、探しやすさや更新方法、管理場所、教育との連携まで含めて運用を考えてみることが大切です。

クラウドマニュアルアプリ「シルル」は、業務マニュアルをオンラインで共有・管理できるサービスです。テキストや写真、動画などを使って手順を整理し、パソコンやタブレット、スマートフォンから確認できます。

業務マニュアルを作成することだけでなく、現場で使い続けられる環境づくりを考えることが、業務の標準化や知識の共有につながります。

【マニュアルを作成できるクラウドアプリ「silulu(シルル)」とは】

 

照輝小林

著者

小林照輝

silulu初代代表取締役として創業期を牽引し、ブランド立ち上げ時のデザイン設計からメインディレクションまでを担当。クリエイティブとマーケティングを融合させた戦略設計を得意とし、現在もISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の情報セキュリティ責任者として組織運営に携わっています。 AI戦略マーケティング会社「株式会社リースエンタープライズ」代表取締役として、SEO・AIO・Webブランディング・システム開発など幅広い領域を手掛けます。

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