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siluluをご導入されるお客様には「運用開始時点でどの程度マニュアルを揃えれば良いか?」という点で悩まれる方がいらっしゃいます。
当たり前のようですが、運用開始までの段階では、「どのマニュアル」を「いつまで」に作成するか計画立てて進めることが本当に重要です。
どのようにマニュアル整備を進めるべきか、弊社がsiluluの導入の支援を数多く実施してきたなかでのベストプラクティスをご紹介いたします。
「これからsiluluの導入を始める方」
「新しい業務や部署でのsiluluの利用範囲の拡大を検討している方」
「導入後、最初の立ち上げがうまく行かずに悩んでいる方」
は、本記事を参考に取り組んでみてください。
重要なのは「XXで困ったらsiluluをみる」と認知されること
理想は漏れなくすべての業務をマニュアル化し、「なにかに困ったらsiluluを見る」という状態にすることですが、最初からすべてを準備することは不可能です。
現場でのsiluluの利用が定着しない、よくある失敗例としては
「何度かsiluluでマニュアルを探したけど、欲しいものがなかった」という経験を通して、siluluを見なくなってしまう、ということが挙げられます。
それを防ぐためには、「XXで困ったらsiluluをみる」という習慣が定着するように、「XX」にあたる特定のテーマについてマニュアル準備してから運用を開始することが重要です。
マニュアルの利用者が「siluluでXXについての困りごとが解決した」という経験を重ねることで、運用が定着します。
この観点は非常に重要なので、導入に関わるすべての関係者で必ず共通認識を持つようにしましょう。
運用開始までの全体の流れ
計画立案から運用開始までの、流れは以下のとおりです。
テーマを決める
大まかにマニュアル化対象業務を洗い出す
マニュアル化対象の作成の優先順位を決める
作成目標数値(作成数・期限)と計画書を仮で作成する
目標の2割の期間で実験的に作ってみて、目標と計画書を修正する
目標に向かって本作成する
以下で、それぞれについて細かく見ていきましょう。
テーマを決める
まずはマニュアルのテーマを決めましょう。テーマとは、前述した「XXで困ったらsiluluをみる」の「XX」に当たるものです。
最初にテーマを決め、作成範囲の絞り込みを行いましょう。
作成テーマの具体例
「XX」にあたる特定のテーマの具体例としては以下のようなものが当たります。
飲食業や小売業
定番メニューの調理方法
接客の方法
店舗清掃の方法
製造業
〇〇製品に関わる組み立て作業工程
設備保全に関わる業務
帳票システムの操作方法
事務系
商談管理システムの操作方法
労務管理システムの操作方法
経理・経費システムの操作方法
siluluの導入目的は、業務効率化や業務可視化、平準化、新人教育、社内問い合わせの低減など様々あると思います。
導入目的と照らし合わせて、主な利用者や利用シーンも決められるとなお良いです。
観点としては、以下のような点です。
業務効率化であれば、どの業務が特に非効率と感じているのか?
問い合わせが多いのはどの業務か?
技術力や習熟度は関係あるか?(新入社員/一般社員/管理監督者)
例えば手順を細かく示した丁寧なマニュアルは新入社員向けではありますが、一般社員が手順の一部を確認するには、該当箇所の参照が面倒に感じる場合もあります。
あるお客様では、以下のような観点で分けてマニュアル運用されているケースもあります。
新入社員向けの細かい手順まで明記されているマニュアル
一般社員向けの要点をまとめたマニュアル
監督者や管理者観点のマニュアル
イレギュラーな対応についてまとめたマニュアル
ただし、複雑に考えすぎても煮詰まって計画段階で頓挫してしまう場合もあります。また、用途や手順を細かくするほど作成・更新に手間がかかることも注意が必要です。
この辺りは関係者でおおまかに認識合わせできていれば、次に進みましょう。
おおまかにマニュアル化する対象業務を洗い出す
作成テーマが決まったら、マニュアル化の対象業務を決めます。
ここでのポイントは洗い出しに時間をかけ過ぎないことです。肌感で7~8割程度洗い出しができていたらOKです。
どんなに洗い出しをきちんとやったつもりでも、実際にマニュアル作成を進めてみると、そのタイミングでマニュアル化が必要な業務を思いつくことが多いです。
作成に着手しながら、対象を随時追加することを想定して運用ルールを決めておきましょう。
マニュアル化の優先順位を決める
マニュアルの作成対象が決まったら、作成の優先順位を決めましょう。
マニュアル作成を始めてみると、「どのマニュアルから作成しようか・・・」と毎度考える時間が予想以上に多いことに気が付きます。
優先順位の観点としては、ニーズの高いマニュアルから作ることです。
ニーズの高さとは、閲覧対象者が多いまたは閲覧頻度が高いマニュアルです。
手順が複雑で一度で覚えられない業務
問い合わせや質問が多い業務
作業頻度が低く(月に1回、数ヶ月に1回)うろ覚えになりがちな定期業務
季節性のある業務
siluluでマニュアルを見る習慣を根付かせるために、非常に効果的な施策が「キラーコンテンツ」を作成することです。キラーコンテンツとは、特定の分野の普及のために、集客力のあるコンテンツを指します。
特定の分野(silulu)の普及のために、キラーコンテンツとなるマニュアルを優先的に作成していきましょう。
目標数値(作成数・期限)と計画書を暫定で作成する
作成対象と優先順位が決まったら、実際に運用開始するまでの目標を設定し計画書に落とし込みます。
まずは暫定目標として設定するのがポイントです。というのも実際にマニュアルを作成しはじめてみると、計画通りに進まないことが大半だからです。
暫定目標として関係者と認識合わせを行い、次の工程で、正式な目標と計画書を決めるようにしましょう。
この段階で重要なのは、絶対に守らないといけない条件をしっかり認識合わせすることです。
特に以下の3つの観点で、目標達成への修正の余地があるどうか確認しておきましょう。
マニュアルの網羅性(作成数とその内容)
完了期日
作成する人の数
担当者1名がマニュアル作成業務に専念した場合、1日2-3本、1ヶ月で50本ほど作成出来るケースが多いです。
マニュアル化する業務内容や複雑さによって前後しますが、目標設定時の参考にしてください。
目標の2割の期間で実験的に作ってみて、目標と計画書を修正する
暫定目標を決めたら、その目標が実現可能なものか確認をします。
計画段階でこの工程をしっかり組み込むのが重要なポイントです。前述した通り、実際に作成しはじめてみると、当初の計画通りに進まないことが大半です。
目標期間の2割ほどの期間で計画通りに進められたのかどうか、進捗を振り返る予定を組んでおきましょう。
例えば、作成期間が2ヶ月で作成目標数が80本なら、2週間で20本作れているか確認しましょう。
もし目標通りに作れなかった場合は、その理由を確認するとともに、必要に応じて目標の作成数や期日、作成する担当者の数を見直しましょう。
仮に、目標通りに作れていたとしても、その成功要因や残業等で無理していないか、きちんと振り返りをしておきましょう。
以下の記事に、作成状況を把握する方法や振り返り時の観点をまとめております。
管理者が各メンバーの作成状況を把握する方法
目標に向かって本作成する
おめでとうございます!ここまで来たらあとは計画に沿って作成していきましょう。
本作成期間のポイントは以下の2つです。
できるだけ作成の手が止まらないようにする
週次で進捗を確認し、軌道修正を行う
できるだけ作成の手が止まらないようにする
siluluはマニュアルをサクサク作れるのが特長のひとつですが、複雑な手順の棚卸しや、店舗や工場などでの画像・動画の撮影に時間がかかる場合もあります。
優先順位に従って作成するのが原則ですが、作成者が気持ちよく進められるように工夫することで、スムーズに進行することもあります。優先順位に縛られすぎず、「こっちのマニュアルのほうが簡単だから先に作りたい」という場合は、そちらを優先したりしましょう。
また、作成計画にはないマニュアルも、テーマ(XX)と合致しているのであれば、議論や調整に時間をかけすぎずに、追加で作成していきましょう。
週次で進捗を確認し、軌道修正を行う
進捗を把握すれば必ず計画を実現できるとは限りません。ただし、目標の進捗管理を適切に行うことで計画実現の確率を高めることができます。
進捗状況や作成者の状況に応じて適切にリカバリー策を打つようにしましょう
プラスアルファで実施すると良い進め方の工夫
作成したマニュアルや本数を発表して褒めてもらう
作成期間中は、所属部署の朝会や週次の定例ミーティングで進捗状況を共有することもおすすめです。コミュニケーションツールが社内にある場合は、そこで告知する方法でもよいです。
作成したマニュアル内容や本数を発表し、それに対してポジティブな評価をもらうことで、作成者のモチベーションアップに繋がります。また、関係者のsiluluへの認知・関心度も高まるので、運用開始時の移行もスムーズに進みやすくなります。
分かりやすいマニュアルになるように作成する
siluluでマニュアルを作成する大きな理由として、利用者にとって分かりやすいマニュアルを作成することも含まれると思います。
どんなに正しいマニュアルを作ったとしても、それが分かりづらければ、だんだん見られなくなります。
以下の記事に、分かりやすいポイントをまとめておりますので、是非参考にしてみてください。
分かりやすいマニュアルの3つのポイント(NG例と改善例)
マニュアルにフィードバックをもらう
できたマニュアルは、複数の人にフィードバックをもらうのもおすすめです。作成時には気づかなかったことがフィードバックでもらえ、より正しく、より分かりやすいマニュアルへ完成度を高めることができます。
ただし、フィードバックの反映には追加で時間がかかります。作成済みの内容に間違いや手順の抜け漏れがないのであれば、運用開始した後に修正の対応をするのも一つの手です。
[さいごに]もし運用開始に失敗してしまったら
本記事では、siluluを運用開始するために「どのように初期マニュアルを準備するか」をご紹介しました。
本記事で特に覚えていただきたい重要な点は以下の2つです。
「XXで困ったらsiluluをみる」という存在として閲覧者に認知されること
実現可能な目標と計画を設定し、初期マニュアル準備をやりきること
このAとBの2つを押さえておくことで、siluluの導入成功率が高まります。
逆に失敗するケースとして、よくあるパターンは
siluluに欲しいマニュアルがなくて、使えないと思われている
そもそも運用が開始できない
という2点です。
それぞれ具体的に言うと、
「siluluに欲しいマニュアルがなくて、使えないと思われること」については
よく困る業務に関するマニュアルが無い
色々な業務に関するマニュアルが少量ずつ準備されているが、特定テーマに対する網羅率が低い
マニュアルの本数が少ない
「そもそも運用が開始できない」
- 網羅性やマニュアルの質を重視すぎて、頓挫してしまう
- 作成者のモチベーションが続かない
- 作成担当者が他の業務が多く、作成がすすまない
のような現象が起きています。
それらの失敗の原因として、「目的や計画がない」「導入しっぱなしで、丸投げ」「リーダー・責任者がおらず、進捗管理がされていない」「色々なことをやろうとしすぎて、やり遂げられない」という理由が挙げられます。
これらの原因に注意し、AとBの2点を押さえておけば回避することができます。
失敗例に心当たりがある人は、ご紹介した内容を参考に再度取り組んでみてください。